
バーデン=ヴュルテンベルク州の剣道大会に、剣道を始めて間もない知人が出場するというので見に行って来た。会場の床は木造ではなく緑色のビニールだったが、選手達が会場に出入りする度に一礼をすることで、神聖な場になっていた。
剣道を生で見るのは小学生のときに剣道をかじって以来、実に15年振りである。しかも、二刀流を初めて見た。なるほど、上段に構えた場合胴に隙が生まれるが、短刀によってそれが補強されている。彼はきっと五輪書を読んでいるに違いない。二刀流をしてみたいとは思わないが、二刀流と戦ってみたい。
剣道には一対一で人と人が対峙する静寂にも緊張感がある。サッカーで言えばPK、野球で言えば9回満塁の生死を背負った緊張感が常にある。尚かつ、そこには鍛錬された肉体と同時に研ぎ澄まされた精神がある。
久しぶりにリアルで美しいものを見た気がした。