リンツからシュトゥットガルトへ戻る途中、ザルツブルクで下車して観光することにした。最初の予定にはなかったので観光ガイドも何もなく、とりあえず本屋で観光地図を購入しようとレジに並んだ。前の列が三人組の日本人だったので、話しかけたらザルツの音楽大学に通う学生だった。映画「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台にもなった学校である。彼、彼女等は親切に町の中心まで案内してくれた。一緒にマクドナルドで昼食をとった後、モーツァルトの生家の前で別れを告げた。


宮殿のレジデンツギャレリエと向かいの大聖堂を訪れると、それまで僕は日本の余白や自然の形態を大切にする文化に対して、西洋の華美な装飾を施した宮殿やリアルな絵画に否定的な見解を持っていたが、ここでは逆に、そのきらびやかさに魅了された。


実は4年前にリンツに来たときに市内にホテルがとれず、2、3泊、ホテルに寝るためだけにザルツブルクに来たことはあったのだが、そのときは時間がなくここを観光できなかったのが心残りだった。4年後の今、親切な彼らのおかげで町を巡ることが出来て良かったと本当に感謝している。
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