今年1月に僕は"Iai Sculpture Project"を始動した。居合いの先生をIPK Fraunhoferというベルリン最大の産業研究施設にお招きし、そこのモーションキャプチャー・スタジオで居合いの動きをデータ化し、そのデータを今度はベルリン工科大学に持って行き、3Dプリンターを使用してその動きを彫刻化した。
このIPKとベルリン工科大学は研究内容も場所も近くにありながら、研究員同士の直接的なつながりはない。そこでベルリン工科大学の研究員がIPKと情報交換できるようなネットワークを作りたいという申し出があったので、僕がそれを仲介して彼らをIPKのスタジオに連れて行き、IPKの研究員にスタジオの案内をして頂いた。

上の写真がIPK Fraunhoferのcave(モーションキャプチャー・スタジオ)。正面、上下左右の五面がスクリーンになっている。その中で、センサーを使って立体的な動きをデジタルデータ化できると同時に、映像を特殊なメガネで立体的に見る事ができる。センサーはPCのマウスの様に使用でき、3Dメガネをかけながら、空間に絵を描くことができる。

こちらの写真はベルリン工科大学のcave。スクリーンは3枚だが、映像の質がIPKに比べて格段に高い。ソフトウェアの問題で絵を描く事はまだできていない。
医学を勉強しているそこのある研究員は人体の骨、血管、臓器、皮膚の立体的な映像をセンサーを使って回転させたり、分解したりして見せた。例えば臓器に腫瘍があった場合、写真だけでは奥行きなどの詳細が把握しずらいが、この技術があれば細かく見ていくことができる。
どちらの施設の研究員達にもかなりお世話になったので、こうやって仲介することができたのは個人的に恩返しの意味もあって、非常に良かった。
PR